ステップ④では管理手段を決定することで、危害を排除、予防、または低減することが目的です。
そのために、ステップ③で設定したCCP・OPRPの許容限界を設定します。
例えば、「原料Aの保管は5℃以下、3日以内」、とか、「ハンバーグの中心が75℃1分間以上」などです。若しくは、数値管理だけでなく、「食材Aは専用の包丁器具使用する」という行動指標による場合もあります。
ところで、75℃以上といった場合は例えば76℃でもいいのですが、かならず75℃を超えていなければなりません。この下限値(または上限)の許容限界をCL(Critical Limit)といいます。
これらの設定は各メニュー/製品ごとに科学的根拠に基づいて設定する必要がありますが、飲食店リーテルの場合、厚生労働省の手引書を参照することができます。
【設定された許容限界の例】
・受入れ | 適切な温度(5℃以下)での受入れ、冷蔵保存、適切な仕入先であること |
・加熱調理 | 殺菌対象となる菌を死滅するのに適切な温度・時間の設定(75℃1分以上) |
・冷却 | 急速冷却となる時間の設定(2時間以内に21℃以下、4時間以内に5℃以下) |
・再加熱 | 適切な温度・時間の設定(75℃1分以上) |
・保持 (高温、または低温) | 適切な温度の設定(60℃以上、または5℃以下) |
・盛付・包装 | 素手による接触禁止、手洗い遵守 |
・提供・販売 | 個人衛生の管理 |
つづく。
【(参考)殺菌価について】殺菌価(F値)という考え方があります。
たとえばボツリヌス菌の場合、死滅(10-6まで減少)させるのに必要な殺菌条件は120℃で4分間(厚生労働省)であることが分かっており、これをF値=4などと表します。殺菌温度を上げることでより短時間に死滅させることができますが、この時間を1/10にできる温度差をz値といいます。ボツリヌス菌の場合z=10とされおり、130℃で殺菌する場合では、0.4分(24秒)が同等の殺菌効果を持つことになります。
t(必要となる殺菌時間)=F×10^((基準温度-T)/z)
(F:基準温度での死滅時間、T:任意の温度)
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